ユーザーインタビュー01

「1週間で450分。資料作りに費やす時間は、およそ半分になりました」

鹿野 護 さん

(宮城大学教授/WOW顧問/Breakfast開発者)

Breakfastを使っている人に話を聞いて、その使いやすさも改善してほしいポイントも、まとめて紹介していく「ユーザーインタビュー」。1回目は、Breakfastの開発者であり、WOW顧問の鹿野護さんを訪ねて、宮城大学へ。ここで教授としてデザインを教える鹿野さんは、なぜ新しいプレゼンツールを必要とし、現在、どのように使いこなしているのか。講義での使用シーンを織り交ぜながら、開発の経緯などを聞いてみました。

宮城大学 大和キャンパス

二つある宮城大学のキャンパスの一つ、大和キャンパスへ。大きな吹き抜けの空間に、長い階段が伸びています。

鹿野研究室は、社会課題解決につなげるデザインの研究がテーマ。この日の講義は、メタファーについての解説からスタート。

鹿野 護

宮城大学、事業構想学群、デザイン情報学科の教授であり、WOW顧問の鹿野護さん。
大学の講義で使うためにBreakfastを開発。

仙台駅から地下鉄などを乗り継いでやってきたのは、市街地から離れた郊外に位置する宮城大学。1997年創立のこの公立大学には、ビジネスを企画する人を育てる事業構想学群があります。この日訪れた鹿野さんの研究室の講義で、最初に話題に挙がっていたのは、「メタファー」でした。

鹿野「メタファーは、実際に手に取れなくても『手に取るように分かる』と言ったり、『駆け足で説明する』と言ったり、例えのこと。隠喩や暗喩とも言いますね。PCのウィンドウやゴミ箱という呼び方は、文具の名前を使っています。日常に極めて多く存在し、メタファーがなければ思考ができないかもしれないと感じるほどです」

矢印という、普段当たり前のように使っているアイコンについて解説。
「物理的な方向だけではなく、抽象的な関係性を表すこともできます」

宮城大学の鹿野研究室では、アプリケーションやWEB、映像といった領域を中心に、どのようなデザインが社会の課題解決に役立つかを研究しています。この日は合わせて10名ほどの大学2〜4年生が、理論や歴史といった背景を含めて、デザインを学んでいました。学びの対象となるデザイン領域は、多岐にわたっています。

鹿野さんがBreakfastを開発した理由とは?

研究室の講義を終えると大部屋に移動。2年生約100名が受講する講義「色彩と形態」が始まりました。

鹿野さんが講義で使う資料は、Breakfastを使って作っています。

研究室の講義を終えた鹿野さんは、大部屋に移動。10分間の休憩を挟んで、2年生100名ほどが受講する「色彩と形態」の講義が始まりました。講義前半は、文様を世界最古のグラフィックデザインと話し、古代エジプトやメソポタミア、ヨーロッパなどの事例を紹介。日本でも馴染み深い、「吉祥文様」も取り上げました。

後半は、ラフスケッチの技法について。一点透視図法による対象物の強調や、二点透視図法による立体感の増幅、遠近感を取り入れ建築などに使われる三点透視図法といった特徴を解説した後、用紙を配布して、学生たちが二点透視図法を用いて、立体物を描くという実践的な内容でした。

講義を終えて、Breakfast開発の経緯について話す鹿野さん。
「縦スクロールなら、1枚のページに情報を納める必要がありません」

鹿野さんは講義で、Breakfastで作成したプレゼンテーションを使っています。講義を終えたばかりの鹿野さんに、各講義内容について聞いてみました。

鹿野「自分の専門分野である映像に偏ることなく、デザインの最初の第一歩となるような内容を心がけています。デザインを多角的な視点から捉えられるよう、毎回、慎重に講義内容を考えています」。

専門的な講義が、2年生から始まる宮城大学。色彩と形態を受講する学生たちは、数ヶ月前からデザインを学び始めたばかりです。

鹿野さんは基本的に、研究室と通常の講義を合わせて、1週間に約450分の講義を受け持っています。そのほか、特別講義や、他の大学での講義も。各講義のために資料を用意しますが、90分間の講義なら、60ページほどが必要となるとか。毎週、大量の資料制作を続けてきたことが、Breakfastという新たなプレゼンツールの開発につながっています。

鹿野「1枚のスライドに納めるために、アイデアのボリュームやレイアウトに、使わなくていい労力を使っていると感じました。そこで考えたのが、縦スクロールのプレゼンテーションツール。ページごとに完結するスライドを、前後のページの関係が断絶した紙芝居とすると、縦スクロールなら縦長の1枚の紙。1枚のページに情報を納める必要がありません」。

以前はキーノートやパワーポイントを使っていましたが、これらの特徴である、「ページごとに完結する」というフォーマットが、資料づくりの時間を増やしていると気づいたとか。

インターフェイスは、ユーザーに迷わせないことを念頭に開発。
画像のレイアウトやトリミングは自動で行われ、文字や文字サイズなどは3種類から選ぶだけ。

ページという概念がない縦スクロールのプレゼンツールなら、テキストや図表、動画を入れていくだけで資料が完成。そんな考えから、鹿野さん自身が講義で使おうと、Breakfastのプロトタイプを作ったのは2016年のこと。その後、使いながら課題を見つけ、これまでに何度かバージョンアップを重ねてきました。現在、開発は鹿野さんが顧問を務めるWOWで行なっています。

鹿野「現在では、資料制作の時間が、従来の半分ほどになったという感覚があります。テキストのフォントやサイズも、3種類から選ぶだけ。迷う必要がありません。画像だけの資料作りなら、以前と比べてかなり簡単になりました。例えば、パワーポイントだと、20枚の画像をグリッド状に並べるだけでも苦労していましたが、Breakfastなら画像をドラッグするだけで、レイアウトからトリミングも自動でやってくれます」。

縦スクロールによって、資料作成時には、テキストや図表の入れ替えが簡単というメリットや、プレゼンテーション時には、前後の情報とのつながりが一目でわかるというメリットも。Breakfastを使った講義は、学生にも好評だそうです。

鹿野「内容を理解しやすくなったとか、見やすくなったといった感想が寄せられています。Breakfastの資料はHTMLで書き出すことができるようにしてあるので、URLを伝えるだけで資料共有できるのも便利です」。

今では、ほぼすべての資料をBreakfastで作り、管理しているという鹿野さん。縦スクロールという発想が、プレゼンテーションをスライドというフォーマットから解放。資料作成に費やす時間を短縮できた分、学生と会話をするなど、時間を有効に使うためのツールとしてBreakfastが役立っています。

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